旅の途中・BERLIN

1978年、初めてベルリンを訪れてから30年になる。

この間何度足を運んだであろうか。1989年世界情勢が激変。あのベルリンの壁が崩壊した。大都会を容赦なく真っ二つに分けた壁が多くの民衆の手によって壊され境界を越えた。厳しく出入りを取り締まってきた「 チェックポイント・チャーリー(検問所) 」が自由に往来ができるようになった。決して開くことが無いだろうといわれていた境界のブランデンブルグ門が開いた。

東西ベルリンそして東西ドイツが再びひとつになった瞬間であった。

1999年、この都市ベルリンに35mmのパノラマ一台を手に訪れた。ベルリンの壁 崩壊後10年になるこの都市を記録するためだ。あのブランデンブルグ門は今どうなっているのだろう。ベルリンに着くや否や迷わず向かう。そこで10代前半と思われる少年が2匹の犬を連れこの門を感慨深く眺めているところが目に飛び込む。

「君、ベルリンに住んでるの?」

「そうだよ!」

この光景を思わずパノラマサイズを縦に撮影。

「このアングル面白い、なんかいい感じ。よしこの都市はこれでいってみるか!」

このショットをきっかけにカメラを縦に構え無心でシャッターを切り始めた。

以来激動のこの都市ベルリンに挑んでいる。